コラム

 公開日: 2017-11-24 

骨・関節の異状は即病院! 応急処置は”固定”と”安静”がポイント

【概要】
スポーツ時にケガをして,骨折の疑いや関節損傷があれば,当然病院で適切な診察を受けます。
また,医者に見てもらう前に,骨折時の応急処置をしてから診察を受けるようにします。
RICE治療を基本として,損傷部位の固定を行います。
早めに処置をすれば回復も早く,骨の変形や関節拘縮(関節が硬くなること)などの後遺症も防げます。

スポーツ損傷後の救急外来の「イロハ」


救急外来

スポーツでケガをした際は必ず病院を受診して確定診断を受けてください!
こんなの当たり前でしょ!と思ったそこのあなた!
本当にこの意味が正しく理解できていますか?

意外と病院ではなく,整骨院等で診てもらっている方が多いというのが私の印象です。特に,高校生の部活動はなかなか休むことができず,部活動帰りに寄ることができる整骨院を選択するようです。
整骨院が悪いというわけでは全くありません。しかし,整形外科医による確定診断を受けるべきです。例えば,腰痛分離症で全治6カ月と診断された高校生は,それまで整骨院で腰椎椎間板ヘルニアといわれ,様子を見ながら練習するようにと言われていたとかいうのをたくさん見てきました。また,上腕骨近位部骨折なのに,整骨院で脱臼だと診断され,脱臼整復を受けてしまったために,骨折が悪化する例もありました。

スポーツによる急性外傷は部活動などでは夕方遅くや,日曜・祭日に受傷する場合がよくあります。夜間や日祭日は当番医などになります。
その場合,医療スタッフも少なく,必ずしも専門のドクターではありません。ですから,診断を受けても安心せず,必ず翌日に専門医に診てもらってください。
場合によっては,翌日に専門医に診てもらった後に,詳しいMRIなどの精密検査を受ける必要があります。
膝の靭帯損傷などは診断が大変難しいところなので,しっかりと専門医と相談をしてください。

このように,ケガは初動としっかりと手間をかけて診断を受け,その後の計画を医師,リハビリテーション担当者(理学療法士やアスレティックトレーナー),チームの指導者と相談しながら進めてください。

放置すると悪化する骨折。疑いあればすぐに応急処置をしよう


骨折1

スポーツ時のケガは,切り傷のように出血を伴うものと,出血はないが痛みを伴うものがあります。
出血がなく,腫れもあまり見られない,患部が劇的に変形している様子が見られない時,私達はつい「大丈夫だろう」と思い,手当てをせずに様子をみることがあります。
しかしその後しばらくして,患部がどんどん腫れてくれば骨折の疑いが出て来ます。

「骨折かも?」と思ったら,すぐに病院で診察を受けるのはもちろんですが,病院へ行く前に患部を添え木や副木でしっかりと固定して余計な力や運動が加わらないようにしなければなりません。
この応急処置をしておくことで,もしもの時でもケガの悪化を防げますし,患者の精神的負担も軽くなります。

将来,アスレティックトレーナーを目指す方で,この患部固定がよくわからないという方は,日本赤十字社が実施する救急法救急員養成講習を受講することをお勧めします。
http://www.jrc.or.jp/activity/study/kind/emergency/

この講習会は一次救命処置(心肺蘇生、AEDを用いた除細動、気道異物除去)等救急法の基礎講習に加え,急病の手当、けがの手当【止血、包帯、固定】、搬送および救護が実施されます。日本体育協会公認アスレティックトレーナーになるためには,各自で必ずこの講習を受けなければなりません。また,資格更新のためには一次救命処置を行う講習は必ず受けなければなりません。

骨折部位の固定が応急処置の最優先事項


三角巾

骨折だけでなく,スポーツ障害の応急処置としてRICE療法があります。
Rest=安静,Ice=冷却,Compression=圧迫・固定,Elevation=拳上のそれぞれの頭文字をとった応急処置方法です。

骨折の疑いがある時は,折れているかもしれない上下の2つの関節が動かないように固定するのがポイントです。
それぞれに添え木があたるようにして,三角巾などで縛ります。
この時に無理やり引っ張ることや動かすことは,神経の損傷につながるため,やってはいけません。

添え木の代わりとなるものには,ダンボールや新聞,雑誌,傘,座布団,割り箸などがあります。
三角巾がない時は,風呂敷,スカーフ,ワイシャツ,ストッキング,ハンカチなどを使ってください。

骨折で応急処置を怠ると完全回復が困難になることもある


骨折していると骨が周辺の筋肉を傷つけたり,骨そのものが変形していることもあります。
骨折を放置していると骨が曲がったままつながってしまったり,変形した状態で固まることもあります。
こうなってしまうと以前と同じような動作をしても違和感を感じたり,上手く動かすことができなくなります。

体が骨折前のように動かないと,それを補うために体の部位に違う負担がかかりバランスが悪くなってしまいます。
骨折した時は,医師と十分に相談しながら慎重に治療を進め,決して無理をしないようにしてください。

この記事を書いたプロ

神村学園専修学校 [ホームページ]

理学療法士 時任真幸

鹿児島県いちき串木野市別府4460番 [地図]
TEL:0996-21-2070

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