コラム

 公開日: 2018-01-09 

変えられない劣化モデル―観光産業に見る日本の産業構造の問題点―Ⅰ

先日インターネットニュースで次のような記述を読みました。
テーマは日本の観光産業、中でも地方のそれについてです。

― (日本の有名観光地では)こぞってどこでも同じような商品を並べ、どこの地域も、地元向けのパッケージに変えただけで、中身はほぼ同じの温泉まんじゅうなどが並ぶ。さらに、観光地の飲食店といえば「観光地価格」で、大した品質でもないものを高く売りつける。
 これらの商慣習は合理的であったとも言えます。
 (中略)団体が観光の主流だった時代まではよかったのですが、平成バブル崩壊後は個人旅行が中心になり、個々人が観光ルートを設計するようになり変化が始まります。さらにネットでの手配が増加し、従来の「一見さんビジネス」は評判が知れ渡り、能動的な観光客はますます泊まらなくなっています。
(中略)一見さんビジネスを続けているから、一定の団体客はくるものの個人客が遠のき、自力では顧客を集められない。集められないからますます団体旅行や代理店手配の客ばかりに依存するという構図です。―

これは我々がすぐに思い当たる観光地の構図でもあります。

ただ、この指摘は観光産業だけに言えることではありません。
ほとんどの産業において同じような課題があるのではないでしょうか。

この指摘における問題点は次の2点に整理できると思います。
・一見さんビジネスという劣化したビジネスモデルに依拠しているということ。
・劣化モデルと判明してからもそのモデルをいまだに続けているということ。

劣化したビジネスモデルというよりも、もともとろくな商品開発もせずに、パッケージだけを変えた商品を販売すること自体、評価に値しない商売であるにもかかわらず「それで済んできた」ということになります。

更にいつも不思議に思うのは、こんなレベルのビジネスモデルが通じた時代はとっくに終わったとわかっているはずなのに、やめることができないという事実なのです。

それはおそらく、「こんなモデルでいいのだろうか?」と検証する必要もなくここまで来たし、「実際、うまくいったじゃないか。」という強い思いがあるのだろうと思います。

この「成功体験依存症」という病は根が深いと言っていいでしょう。
これといった有効な薬がありません。
ただ、「成功体験」という麻薬が身体から抜けるのには、相当の努力を要するということだけは分かっています。



絶景の観光地

つづく

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